初めての場所で送る新社会人生活。
暮らしやすい環境や人々の温かさ、
そして心を癒すきれいな景色に支えられ、
なじむことができました。

 

「農業の魅力を伝えたい」を叶えるために移住。
生活しやすそうな印象が不安を和らげました。
Q.山陽小野田市に移住した経緯を教えてください。

山陽小野田市の観光スポットとして知られる季節体験農場「花の海」への就職がきっかけです。私は幼い頃から自然への興味があり、実家の家庭菜園で父と一緒にピーマンやトマトなどの野菜を作っていました。うまく育たないこともありましたが、その理由を考えたりするのも楽しかったです。将来は農家になりたいと思い、農業系の学部がある広島県内の大学で野菜の栽培について学びました。在学時、農業ボランティアサークルの活動を通して地域の方たちと関わるようになり、「農業をしたい」から、「たくさんの人たちに農業の楽しさを伝えられる人になりたい」と気持ちが徐々に変化していきました。そこで、就職活動も農業に携る仕事に絞って行うことに。農業関連の企業が集まる合同説明会で出会ったのが「花の海」です。

「花の海」を調べるうちに、広い自社農場、みんなが集まる花畑、ウサギやヤギとのふれあい、おいしそうなレストランのピザなど、私の好きなものが詰まった場所だということがわかり、ここで働きたいという思いが強くなりました。また「農業の魅力・可能性をたくさんの人へ!」という会社のモットーが私の思いと合致することも決め手となりました。

Q.移住する前の山陽小野田市の印象を教えてください。

大学は広島県にあったのですが、山口県を訪れたことがなく、山陽小野田市という名前も知りませんでした。また、就職活動時はコロナ禍の真っただ中だったので、県をまたいだ移動がしづらく、実際に訪れることが難しい状況でした。ですので、まずは山陽小野田市のホームページを見たり、「花の海」周辺を地図アプリで調べたりしていました。インスタグラムのハッシュタグで山陽小野田市を検索すると「きららビーチ焼野」の夕陽や「江汐公園」のアジサイなど、きれいな風景がたくさん出てきたので、訪れるのが楽しみになりました。そして中心地には「おのだサンパーク」や、これまで住んでいたところにはなかったチェーン系の飲食店、新しい施設もたくさんあるので生活しやすそうという印象を持ちました。

Q.知らない土地で暮らすことへの不安はありませんでしたか?

知り合いもいない初めての土地での一人暮らし。そして初めての社会人生活。確かに不安はありました。でも、場所ではなく仕事内容を重視して就職活動をしていたので、夢だった農業に携れるという楽しみのほうが大きかったです。

Q.ご家族の反応はどうでしたか?

家族も山陽小野田市のことを知らなかったのですが、あまり心配されることはありませんでした。実家まで6時間ほどかかるので、祖母には「どうしてそんな遠くに」と今でも言われますが、応援してくれています。また4人きょうだいみんな実家には帰っておらず、それぞれの場所でがんばっているので、私も勇気づけられます。

Q.住み始めてからの山陽小野田市の印象を教えてください。

住んでいるのは、職場まで車で10分程度の場所です。周囲にはスーパーやドラッグストア、病院など、生活に必要なものは何でもそろっています。大学生の頃は周りにお店がなかったので洋服はインターネットで買うことが多かったのですが、いまは「おのだサンパーク」で実際に試着したうえで買えることがうれしいですね。山陽小野田の人たちは田舎と言いますが、私にとっては今まで暮らしたなかで一番都会です。

憧れの農業に携る仕事を満喫中!
考案した野菜や果物を使ったメニューを
お客さまに楽しんでもらえるのがうれしいです。
Q.現在の仕事について教えてください。

埴生地区にある季節体験農場「花の海」で働いています。季節の花に囲まれる花畑や、一年を通して楽しめる野菜や果物の収穫体験、農産物や苗などを販売する売店、パスタやピザを楽しめるイタリアンレストランなどさまざまな施設があり、多くの方が足を運んでくださる施設です。また西日本最大級の苗の生産農場という一面もあり、ここで育った野菜や花の苗が全国各地に出荷されています。花の苗は、山陽小野田市のふるさと納税返礼品で一番人気なんですよ。

地域の農家や「花の海」が育てた農作物がリーズナブルに購入できると人気の売店。花の苗や観葉植物なども充実している。

入社当初は、売店での接客や収穫体験の案内係を主にしていましたが、現在は、レストランでソフトクリームやドリンクなどの調理や接客を担当しています。

ソフトクリームやドリンクを作り、接客も行う北村さん。「お客さまの反応をそばで見られるのでやりがいに繋がります」。
Q.仕事の楽しみを教えてください。
北村さん考案の新商品「はちみつみかんソーダ」と、アレンジを考えたサツマイモソフトクリーム。

レストランには、季節によって変わるフレッシュジュースやソフトクリームがあり、その新商品の開発も楽しい仕事のひとつです。毎年、秋に人気のサツマイモソフトクリームは、大学芋の蜜をかけるアレンジを提案して採用されました。今(2022年10月)販売している「はちみつみかんソーダ」など、私がいちから考えた商品もあるんですよ。どちらも人気商品になっていてうれしいです。

Q.職場の雰囲気はいかがですか?

年齢が近い同僚も割と多いので、何気ない話ができるのがいいですね。また、母や祖母ほど年齢が離れている先輩たちは私のことをまるで娘や孫のように思ってくれていて、「頼っていいからね」と言ってくれるのが心のよりどころです。一人暮らしの私を気遣って、手作りのおかずを分けてくれたりする温かさも心に沁みます。

Q.仕事におけるこれからの目標を教えてください。

これからの目標は、「『花の海』に来たらこれを食べないと」とお客さまに思っていただけるような看板商品を開発することです。地元の農家さんの生産物や「花の海」で獲れた野菜や果物を使い、ここでしか味わえない商品を考えるのは大変です。でも、おいしそうに食べてくださるお客さまを見るととてもうれしいのでやりがいがあります。また、もっと知識や経験を積んで、「花の海」や山陽小野田市の魅力を、これまで以上にお客さまへ伝えられるようになりたいです。

収穫体験の農作物の管理も仕事のひとつ。秋は落花生やサツマイモの体験が可能。
時には「動物ふれあいコーナー」のヤギの世話をすることも。「疲れた時にはウサギと遊んで帰ります」。
気候が安定しているのも山陽小野田市の魅力。
今後はもっと地域の人々との交流を深めたいです。
Q.山陽小野田市での暮らしはいかがですか?

生活に必要なものが揃っているので、不便はありません。また、気候が安定しているのもうれしい点です。実家は兵庫県の日本海側、大学は広島県の山あいの地にあったので雨も雪もよく降っていました。天気が崩れると頭痛に悩まされることが多い体質なのですが、ここは天気がいい日が多いので、その回数もぐっと減りました。また、冬に雪かきをしなくていいのがすごく楽です。

そして山陽小野田市には景色がきれいな場所がたくさんあるのも気に入っている点です。気持ちが落ち込んだ時に「きららビーチ焼野」の夕陽などきれいな景色を見ると、気持ちが切り替わり「明日もがんばろう」と思えます。

Q.楽しいと感じるのはどのような時ですか?
貝汁が有名な「ドライブインみちしお」の隣にある「天然温泉みちしお」。二つの源泉をもつ温泉を楽しめる。

山陽小野田市に住んで、ドライブが好きになりました。大学生の時はペーパードライバーだったのですが、こちらでは車が必須。道幅が広く、通行しやすいので運転にもすぐ慣れました。休日は決まってドライブに出かけます。こちらに住んで1年半くらいですが、山口県の主要な観光地はほとんど行きましたね。赤い鳥居が並ぶ長門市の「元乃隅神社」や、新鮮な魚介を楽しめる下関市の「唐戸市場」などが印象に残っています。

ドライブのもうひとつの楽しみがラーメンの食べ歩きです。こちらに住んで豚骨ラーメンのおいしさに目覚めて、いろいろなお店を訪れています。最初の頃は一人でお店に入ることに緊張していたのですが、最近は地元の人しかいないようなお店でも平気になりました。なかでもお気に入りは「中華そば一久 小野田バイパス店」です。

それと、一人暮らしをするようになってお風呂はシャワーで済ませるようになったのですが、仕事で疲れた時や寒い日などはゆっくり湯船に浸かりたくなります。そんな時は「天然温泉みちしお」へ。ゆっくりとお風呂に浸かってほっとできるのがいいですね。いつでも入れるように車にお風呂セットを載せています。

Q.これからどのように暮らしていきたいですか?

コロナ禍での移住だったので、あまり地域の方々との交流ができていません。これからは職場の方たちとはもちろん、それ以外でも積極的に交流を深めていきたいです。体を動かすのが好きなので、まずは誘われているスポーツサークルに参加してみようと思っています。そして将来的には畑付きの一軒家に住むのが夢です。家庭菜園でいろんな野菜を育て、食べきれない分は職場や近所の方におすそ分けするような生活を送りたいですね。

Q.山陽小野田市に移住を考えている人にメッセージをお願いします。

私のように、知り合いもいないところに一人で移住して就職するという学生さんは少なくないと思います。来た当初は不安でしたし、なじめるかという悩みもありました。でもその不安を乗り越えて暮らしていけるのは、生活に不便のない環境、心を支えてくれる周囲の人々やきれいな景色のおかげです。私のように、自然に癒されながら穏やかな暮らしを送りたい方に、山陽小野田市はぴったりだと思います。

※当インタビューは、2022年11月7日に行われたものです。